俺とドカベンとトラック野郎
鈴木則文監督が亡くなられた・・・。
思えば、シネマ秘宝館をこれだけ続けてこられたのも、鈴木則文監督の一連の映画を見た影響も0ではなかったと。
娯楽映画に開眼し、学生時代に8mm映画同好会に入り、どっぷりと娯楽映画を観たり撮ったりしていたあの日々・・・。
あの日々を構成していた(結構大きい)部分が、鈴木則文監督の作品であったことは、間違いのないところです。
そう。
鈴木監督の作品には格別の”想い”があるのです。
子供の頃、頻繁にテレビ放送されていた「トラック野郎」を見ていた時の記憶。
その頃はまだ、娯楽作品の何たるかもわからず、ただやみくもに桃次郎が無茶な荷受けをしてしまい、無茶な山道をデコトラで突っ走る姿に心踊り、次の瞬間、どう見てもプラモデルにしか見えないデコトラが山道から落ちたりするシーンを見て、子供心ながらも「これでいいの?」と思ったあの日々・・・。
あれから何故か、ある意味「寅さん」以上に桃次郎に心を奪われ、映画館で、レンタルビデオで何度となく鑑賞していた日々。
どんなに周囲の友人にトラック野郎の素晴らしさを伝えても伝わらなかったもどかしさ。
それが青春だった(のか?)。
更に時が移り、武田久美子さんがどこかのインタビューで、「伊賀のカバ丸」撮影時のことを指して、「監督は(写実主義)ですから」と言わしめたあの作品。
確かに・・・伊賀のカバ丸は、あのまんがをまんま、忠実に(笑っちゃうくらいに)写実主義の上に成り立った楽しい映画だったよなあ・・・。
そしてそして・・・嗚呼!「ドカベン」!!
特にドカベンで感銘を受けたのは(ある意味有名なんですけど)壁に投げ飛ばされた人が、全然違うポーズで壁に当たっているのに人の形にくり抜かれた板がスポーンと抜けるの。
つまり、頭から壁に当たっているのに、両手足を伸ばしきった人型の板が壁から抜けるの!!
これ・・・私の”ツボ”でした。
他にも確か、「シルクハットの大親分」でも同じことをしていた(はず)で、私としましては、「いつか、鈴木監督の”壁の人型スポーン”を忠実に再現して、鈴木監督にほめられたい!いや、怒られても呆れられてもいいんで、かまってほしい」といった想いがあったのですが・・・夢叶わずで、こればかりは残念で仕方がありません。
そしてそして・・・・トラック野郎!!全10作を、何回繰り返し観た事か!!!
私にとってのバイブル!!ワンポイント由利徹といい、マドンナが素晴らしく美しいことや、トルコ風呂にヤモメのジョナさんの子供たちを引き連れてスケベ椅子に座らせて一緒に身体を洗ったりともーーー!名シーンの数々!!!
そして大概、用を足している時にマドンナに一目惚れというもーー子供が大喜びする下ネタも炸裂してて・・・
っていうか、パンツの穴もそんな下ネタばっかりでしたっけねえ・・・
っていうか、
ああ・・・・
ああ・・・・・
トラック野郎のことだけでも一晩、語り明かせますよ。ええ。
私にとっては、娯楽映画の師匠であり、目標でもありました(直接の面識はないけどね)。
底抜けに楽しい作品を生み出してきた鈴木則文監督に敬意を表します。
本当に、鈴木則文監督の作品には楽しませていただきました。
ありがとうございました!!
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
それにしても、一番星ブルース・・・泣きのギターも歌声も全部含めて、いい曲だなあ・・・。
一番星ブルース 唄:菅原文太・愛川欽也 作詞/作曲: 阿木燿子 宇崎竜童 演奏 ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
もう何年も前の話ですが、
トラック野郎まつりを開催し、本物のトラック野郎なお兄さんが来てくれたり、この曲を大合唱したのはいい思い出です。
鈴木則文監督については、町田智浩さんのまとめがとても詳しいのでオススメです↓
http://matome.naver.jp/odai/2130745879851420501