年の瀬に、男たちの大和を観る

saitoukanchou2005-12-31

映画鑑賞は2日連続ではあったが、今日は錦糸町で「男たちの大和」を鑑賞。

前評判もあったが、どうしても一目、スクリーンで観たかったので。
どうも自宅でDVD等で観ようとすると、色々邪魔が入るので、ね。

映画は現代から始まり、やがて回想へと移る。
散々宣伝でも見たが、こうして改めて見ると「よくぞここまで作った」と思えるほど、大和は巨大で、映像としての説得力もとてつもなく、大きい。
そしてこの映画の肝である戦闘シーンの壮絶さは、目を逸らしたくなる程の迫力だった。

物語は迷うことの無い直球勝負。

「ALWAYS 三丁目の夕日」とは違って、こちらは余りにもテーマが重い上に、色々と考えさせられる物事が多いために、どんな文章に表しても全て、上っ面のように感じてしまうよ。
ただ、視点としてはあくまでも乗艦する普通の乗組員についてであって、艦長や連合艦隊といった上官ではなかったことと、乗組員の本心が剥き出しになるシーンがあって、その描写は非常に優れていたと思う。

ただ・・・それを見たら余計に・・・切なくなってしまったので・・・。
いや、シーンとしては悪くないし、より物語に真実を織り込もうとすると、あの方法がベストなのはわかるのだ。わかるのだが・・・計らずとも目頭が熱くなってしまった。


玉砕することへの疑問、意義、母親への気持ち、家族への想い・・・。
そうだよな・・・御国のためといっても、死ぬことを恐がらないなんてないよな・・・。


それでも最終防衛線の死守を、日本という国の未来への再生を託し、大和は進む・・・。

僕自身での戦争というものは、祖父が口頭で教えてくれたことと靖国神社遊就館で見学した事位なのでとやかく言う事もできないのだが、戦う事への切なさと空しさは見事に描写されていたと思う。

が、ここで思わず考えてしまうのは、「命を掛けて未来を託してくれたこの世界は、果たして良い世界なのだろうか?」と・・・。
中身が伴わない頭であれこれ考えても仕方ないのは承知しているのだが。

ただ言えることは、とかく人を傷つけることを厭わない事件ばかりの世相の中で、この映画が持つメッセージはより必要な物ではないか?ということだと思う。

そうした物事について考えるきっかけを与えてくれただけでも、この映画が持つ価値は、あると思う。

今年の最後を締めくくるのに相応しい映画ーー「男たちの大和」お勧めです。